大阪市の井上行政書士事務所(大阪市淀川区)です。 大阪市西淀川区、大阪市淀川区、大阪市東淀川区、大阪市福島区、大阪市北区、大阪市都島区、大阪市旭区、大阪市西区、大阪市中央区、大阪市城東区のお客様! 煩雑な書類作成業務をサポートします!「安心料金で誠実かつ迅速な対応」がモットーです。

内容証明郵便
ツイート
このエントリーをはてなブックマークに追加
Clip to Evernote

内容証明郵便は、一般書留郵便物の文書の内容と差し出された日付を郵便事業株式会社(郵便局)が証明するサービスです。

1.内容証明郵便の概要

差出人が同文の郵便物を3通作成し、1通を相手方に送達し、1通を郵便事業株式会(郵便局)が保存、1通を差出人の手元に残すものです。これにより、その「内容」と「出した日」が郵便事業株式会社により証明されます。

ただし、この内容証明郵便だけでは、「いつ相手方に届いたか」までは記録が残されませんので、通常、郵便物を配達した年月日を証明してくれる「配達証明」制度と併用されます。

「配達証明郵便」とは書留に付帯する制度で、配達した日を記したはがきが差出人へ送られるものです。

なお、差出事業所(郵便局)が受け取る謄本(内容証明)の保存期間は5年間です。

2.内容証明郵便が利用される例

大まかに、次のようなものがあります。

1.確定日付のある通知が必用とされる場合

時効中断のための請求、債権譲渡の通知

2.その内容および通知をすることが法律上の効力を持つもの

契約解除の意思表示、賃料支払催告

3.相手方にプレッシャーをかける、相手方の出方をうかがう、裁判上請求の予告

貸金請求、売買代金請求、売掛金請求、損害賠償請求

3.内容証明郵便の効果

内容証明郵便そのものは、差出人の意思表示を相手に伝える手段にしか過ぎません。

したがって、内容証明単独では「法律的な強制力」は生じませんが、相手方に対しては、ときにより心理的に強い影響を与える場合があります。

たとえば、前項3の売買代金請求で訴えを提起すると、裁判官は、提起前にどのような催告をしたかを原告に尋ねます。「内容証明で支払いを求めたが応じないので訴えを提起した。」と答えるのは理にかなっています。

一般には内容証明は裁判の手順であるとも考えられています。そこで、支払時期の到来した貸金等についてその請求を内容証明で行うと、受取人は、「次は訴えを提起されるのではないか。」と考え、自主的に支払いを行うこととなるわけです。

一方、両者で争っている最中に損害賠償請求などを内容証明で送ると、受取人が感情を悪化させ、さらに争いが激化することもあります。内容証明は実行する前によくその効果を検討しなければならないときがあります。

4.内容証明郵便の書き方

内容証明は普通の手紙と異なり、若干のルールがあります。

 

1.字数・行数の制限

縦書き-字数・行数は1行20字(記号は、1個を1字とします。以下同様です。)以内、1枚26行以内

横書き-字数・行数は1行13字以内、1枚40行以内または1行26字以内、1枚20行以内

で作成します。

 

2.部数は3部

内容が同一の文書3通を窓口へ提出します。相手に送る分、郵便局保管用、自分用各1通合計3通です。これらは用紙の大きさ、記載用具を問われませんので、市販の内容証明用紙以外の用紙を用いても、また、コピーにより作成してもかまいません。

郵便局では、受取人へ送達する文書を内容文書、内容文書と同一内容の書面で、差出人および引受事業所(郵便局)が保管するものを謄本と呼びます。

また、内容証明は文書1通のみを内容としていることが求められます。内容文書以外の物(図面や返信用封筒等)を同封することはできません。

 

3.使用できる文字種

使用できる文字は、原則として「漢字・仮名・数字」のみです。ただし、英字を用いた固有名詞は使用できます。また、括弧や句読点、一般的な記号(+、※)なども使えますが、すべて1文字としてカウントされます。

 

4.年月日、住所、氏名を記す。

文書中には必ず年月日、受取人住所氏名、差出人住所氏名を記載します。

住所氏名は、封筒に記載するものと同一表現でなければなりません。

 

5.印

差出人の氏名には捺印するのが慣例です。

捺印は三文印でかまいません。

また、1通の文書が複数枚となる場合には、3通ともそのつづり目に契印を押します。

 

6.封筒

市販の封筒を1通用意します。これは相手に送られます。郵便局の分と自分用は封筒不要です。封筒に記載する受取人、差出人の住所氏名の表記は、内容文書に記載のものと同一表現にします。

 

7.文書の内容

自分の主張の前提となる相手方との共通事実を簡潔に記述します。

異なる解釈ができそうな曖昧表現を避け、自分の主張や要求を明確に書き表します。

事情を知らない第3者が読んで、何を言っているのか理解できるかをチェックします。

第3者にわかるものであれば、当然相手に伝わるものになっています。

「時候の挨拶」「結語」などなくてもよいものは省きます。

文頭から文末まで音読してスムーズに流れていれば完成です。

 

8.文字または記号の訂正

文字または記号を訂正/挿入/削除するときは、その字数および箇所を欄外または末尾の余白に記載し、差出人の印を押印します。この場合、その訂正/削除に係る文字は明らかに読み得るように字体を残さなければなりません。文章をタイプする場合は訂正後再印刷する方が早くてきれいです。

窓口で職員さんの指導により訂正する場合は、職員さんに尋ねれば、どのようにすればよいか教えてくれます。

 

9.内容証明郵便を出す郵便局

内容証明郵便は、集配事業所または郵便事業株式会社(郵便局)が指定した事業所で受け付けてくれます。あらかじめ差し出そうとする窓口へ問い合わせると、受付時間なども教えてくれます。

 

10.窓口での出し方

窓口へ文書3通と封筒を提出します。

「内容証明郵便」「配達証明をつける」ことをはっきりと伝えます。

窓口の職員さんは、提出された3枚が同一であること、書式がルールに沿っていることを確認後郵便局印を押印します。

訂正の必要がある場合はここで指摘されます。

訂正を求められることに備えて、印鑑を持参します。

文書、封筒に問題がなければ、1通を封筒に入れるよう指示されます。

切手は事前に用意していなくても、窓口で料金を現金で受け取ってくれます。